ヨーロッパのERA5気候トラッカー
ヨーロッパは世界で最も速く温暖化している大陸で、ここ数十年の昇温速度は世界平均の2倍を超える一方、地域によっては乾燥化も目立っています。こうした変化は私たちの暮らしに影響するだけでなく、地域の生態系に負荷をかけ、食料生産や社会全体にも大きな課題をもたらします。これらの変化の多くは1980年代以降に特に顕著になり、熱波、干ばつ、鉄砲水はより頻繁かつ深刻になっています。傾向は地域や季節によって大きく異なるため、これらの変数を過去の状況と照らし合わせることは、ヨーロッパの天候と気候の変動をより詳しく捉えるうえで重要です。
このトラッカーでは、1940年以降のERA5再解析データを用いて、ヨーロッパと周辺海域の2 m気温、海面水温(SST)、総降水量を確認できます。地図では、日々の状況、気温・降水量の偏差、年・季節別の値、順位、長期トレンドを表示できます。必要に応じて、12 UTCの平均海面気圧の等圧線を日別地図に重ね、大規模な気圧配置のスナップショットとして表示することもできます。地図の下のグラフには、初期状態では30–72° N、25° W–40° Eの全領域について面積加重した時系列が表示されます。地図をクリックすると、最寄りの0.25° ERA5格子点に切り替わります。トラッカーは新しいERA5Tデータが利用可能になるたびに毎日更新され、通常はリアルタイムより約6日遅れます。
ヨーロッパの温度マップ
ERA5 2 m気温の日平均
全領域の面積加重温度推移
全領域の面積加重ERA5温度時系列を読み込んでいます。地図をクリックすると個別の格子点を確認できます。
データソースと解析方法
対象領域と元データ
- データセット
- ECMWF Reanalysis v5 (ERA5)
- 対象領域
- 30°–72° N、25° W–40° E
- CDS格子
- 0.25° × 0.25°、44,109格子点
- データ期間
- データ期間を読み込み中…
このトラッカーでは、Copernicus Climate Change Service(C3S)のClimate Data Storeで提供されているERA5単一レベル時間別データを使用しています。ERA5は全球再解析で、現代の気象モデルを過去数十年にわたって繰り返し実行しながら、衛星、気象観測所、気象観測気球、航空機、船舶などの観測データを継続的に取り込むことで、大気の過去の状態を再構築したものです。これにより、直接観測が少ない場所や時期を含め、大気状態の変化を空間的・時間的に連続して推定できます。ERA5は、ECMWFのIntegrated Forecasting System(IFS)と4次元変分法(4D-Var)によるデータ同化を用いて作成されます。4D-Varでは、観測データと数値モデルを組み合わせ、物理的に整合した大気状態を時間の経過に沿って再構築します。
2 m気温。 モデル表面の2 m上における推定気温で、陸上と海上の両方で利用できます。IFSではモデル層そのものの温度ではなく、地表付近の診断量です。最下層の大気モデルレベルの温度と、その下の表面スキン温度から、境界層の安定度情報を用いて算出されます。ERA5 Climate Data Storeで提供される1時間ごとの2 m気温は解析値であり、観測データによって制約された再解析の大気状態と整合しています。
海面水温(SST)。 ERA5のSSTは、大気モデルが予報変数として計算する温度ではなく、外部から与えられる基礎海面水温(foundation SST)です。2007年9月以前はHadISST2、2007年9月以降は英国気象庁のOSTIA解析に基づきます。ERA5のSSTは、日中の日射による昇温サイクルを明示的に表現しない基礎水温です。データは1時間ごとのタイムスタンプで利用できますが、SSTの内容自体は1日1回更新されます。
総降水量。 ERA5の総降水量は、雨や雪による降水を水に換算した累積水深です。このトラッカーではmmで表示します。
平均海面気圧(MSLP)。 オプションの等圧線は、選択日の12:00 UTCにおけるERA5の平均海面気圧を示し、大規模な気圧配置を確認するための参考情報です。その時刻の気圧場をスナップショットとして示しますが、下地の気温は日平均、降水量は1日分の累積値であるため、重ね合わせた表示全体が同一時刻の状態を示すものではありません。
ERA5の値は再解析による推定値であり、気象観測所の直接観測値ではありません。特定の用途で重要となる局地的な記録値やその他の極値については、観測データや、必要に応じて他の気候データセットと照合してください。
データ提供状況。 最新データはまずC3Sから暫定版ERA5Tとして提供され、通常はリアルタイムから約5日遅れて利用可能になりますが、公開時刻は保証されていません。このトラッカーは毎日更新され、通常はリアルタイムより約6日遅れて動作します。その後C3Sは、通常約2か月後にERA5Tを確定版ERA5に置き換えます。そのため、直近数か月の値は暫定値として扱う必要があります。
データ引用:Hersbach H, Bell B, Berrisford P, et al. ERA5 hourly data on single levels from 1940 to present. Copernicus Climate Change Service Climate Data Store. doi:10.24381/cds.adbb2d47. 再解析の詳細な背景については再解析の進展を参照してください。
Copernicusの出典表示および免責事項。 2026年のCopernicus Climate Change Service情報を加工して使用しています。欧州委員会およびECMWFは、このページに掲載されたCopernicusの情報またはデータの利用について責任を負いません。
図のライセンス. このトラッカーで生成された図は、クリエイティブ・コモンズ 表示 4.0 国際(CC BY 4.0)の条件に従い、商用目的を含め、再利用および改変できます。その際はXpertScientificをクレジットし、ERA5/Copernicusのデータソース表記を保持するか、別途明示してください。図を変更した場合は、その旨を明記してください。
トラッカーの計算方法
日平均気温。 日平均気温は、00:00から23:00 UTCまでの24個の1時間値から算出します。2 m気温は24個すべての値がそろっている日を対象とし、SSTも有効な値がそろった完全な日のみ採用します。
日降水量。 暦日Dの日降水量は、D日の01:00–23:00 UTCと翌日D+1の00:00 UTCの値を合計します。ERA5の1940年1月1日の記録には18時間分しかないため、日降水量系列は1940年1月2日から始まります。
季節と完全な期間。 年値は暦年に対応します。冬季(DJF)は1月と2月を含む年に割り当てます。1939年12月はアーカイブ外のため、完全な冬季は1941年から始まります。完全な期間を必要とする統計では、不完全な年や季節は除外します。
全領域の値。 格子セルは緯度の余弦を用いて実面積に応じて重み付けします。2 m気温と降水量は陸域と海域の両方を含み、SSTではさらにERA5陸海マスクの海洋面積率で重み付けします。計算には元のERA5格子を使用し、地図表示の補間は値、偏差、順位、トレンドに影響しません。
長期トレンド。 トレンドには完全な年・季節値を用います。2 m気温とSSTは平均値、降水量は累積量です。少なくとも25年分の完全なデータが必要です。トレンドは最小二乗法(OLS)で推定し、気温は°C/10年、降水量はmm/10年で示します。不確実性は、Bartlett重みを用いたNewey–West HAC標準誤差、L = floor[4(n/100)2/9]、n/(n−2)補正により算出します。グラフには当てはめたトレンドと各時点の95%信頼区間を示します。pはHACに基づく両側Wald検定のp値、R²は通常のOLSによる値です。
地図表示。 地図のラスタは表示のためだけに0.25°格子間を双線形補間します。SSTでは海洋面積率で補間を重み付けし、海洋率が50%未満のピクセルは透明にします。地図をクリックすると最寄りのERA5格子点が選択されます。
気温
過去比較と日別偏差。 過去比較は暦日ごとに個別に計算します。選択した年について、日別値または7日・15日移動平均の中央値と10–90パーセンタイル範囲を表示します。気温表示では1991–2020年のWMO平年値も示します。日別気温偏差は、選択した30年基準期間における同じ暦日の平均との差で、2月29日はうるう年のみを用いて別に扱います。
年初来気温偏差。 年初来値は、1月1日から選択日までの日別気温偏差の平均です。順位には、同じ暦日までの有効データ率が90%以上の年だけを含めます。
年・季節平均気温。 地図には、完全な年または季節の平均気温そのもの、または選択した30年基準期間の対応する平均からの偏差を表示します。標準化偏差は、この偏差を基準期間の対応する平均値の標本標準偏差(n−1)で割ったもので、SDで表します。標準化地図の範囲は、|z|の99パーセンタイルを含む最小の対称範囲を±3、±4、±5、±6、±8 SDから選びます。
気温ヒートマップ。 利用可能な気温記録を日別または月別で表示します。月別値は各暦月で利用可能な日別値の平均です。偏差は選択した30年基準期間を基準とし、標準化偏差は日別または月別の偏差を基準期間の対応する標本標準偏差で割って算出します。偏差のカラースケールは0を中心に対称で、絶対偏差の99パーセンタイルに基づきます。
降水量
年初来累積降水量。 選択した30年基準期間から、算術平均による平年値、中央値、10–90パーセンタイル範囲を求めます。2月29日時点では、うるう年は2月29日まで、平年は3月1日までを含め、どの年も年初から60日分になるようそろえます。年初来値と順位は1941年から表示します。
月・季節・年降水量。 これらの表示は期間内の累積降水量を示します。降水量偏差は、実際の累積量から選択した30年基準期間の算術平均を引いた値で、単位はmmです。平年比は100 × 実測値 / 平年値として別に表示し、偏差ではありません。1940年1月と1940年年間は、1月1日の利用可能な18時間分と残りの期間を含めて計算し、平年値と順位にも含めます。
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